『「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会』平成26年度総会が開催された。総会は、推進協議会の構成メンバー89団体のうち61団体、約110名の出席のもと開催された。同協議会の常盤会長(四経連会長)ならびに開催県を代表して尾﨑副会長(高知県知事)の挨拶の後、「普及啓発」、「受入態勢の整備」、「普遍的価値の証明」、「資産の保護措置」の4つの部会からそれぞれ活動報告があった。
その後、議事に入り、以下の3つの議案「平成25年度事業報告及び収支決算」と「平成26年度事業計画及び収支予算」ならびに「新規加入団体」が審議され、3議案とも了承された。また、平成26年度寄付金活用事業や、去る6月3日に開催された四国知事会議についての報告が行われ、議事が終了した。
続く意見交換では、「平成28年度の世界遺産暫定リスト入りという目標の実現に向けて、文科省など国との連携を一層強化してゆくべきである」などの意見が出された。
最後に、26年度において寄附を考えていただいている、アサヒビール株式会社様、アサヒ飲料株式会社様、株式会社伊藤園様から、寄附内容について紹介があった。
[議案審議について]
(第1号議案)平成25年度事業報告及び収支決算について
<審議内容>
・推進協議会総会を開催し、取り組み状況や今後の活動方針について審議、意見交換等を行い、平成28年度の暫定一覧表リスト入りを目指すことを中期目標に定め、その実現に向けて各部会が活動に取り組むことを議決したことなどの事業報告がされた。各部会の事業報告(概要)は以下のとおり。
区 分 | 事業報告 | |
「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会 | 推進協議会総会を開催し、取組み状況、今後の活動方針について審議、意見交換等を行い、平成28年度の暫定一覧表への記載を目指すことを中期目標に定め、その実現に向けて各部会が活動に取り組むことを議決した。 | |
各 部 会 |
「普及啓発」部会 | 世界遺産登録推進協議会ポスターの掲示、シンボルマークの活用を進めるとともに、世界遺産登録推進協議会ホームページによる情報発信を行った。 また、寄附金を活用し、推進協議会構成員が広報活動に利用できるアイテムとして名刺台紙を作成するとともに、活動を応援していただける個人や企業が利用できる遍路カードを作成した。 さらに、四国遍路に関するパンフレット等を一括して入手できるように、JR四国主要4駅に専用のパンフレットラックを設置した。 |
「受入態勢の整備」部会 | 各県1回の県別作業部会を開催し、構成員の取り組みについての報告を行うとともに、遍路道沿いのトイレマップを作成し、推進協議会のホームページに掲載した。 | |
「普遍的価値の証明」部会 | 前年度の検討会で抽出されたキーワードを元に、四国遍路研究の専門家による「顕著な普遍的価値の証明」研究会を設置し、国内外の類似資産についてのデータ収集を行うとともに、検討会において、今後の普遍的価値の証明についての戦略の検討を行った。 | |
「資産の保護措置」部会 | 前年度に引続き、史跡・名勝や文化的景観の専門家による「資産の保護措置検討会」を6回開催し、札所寺院及び遍路道の保護手法について検討した。 |
・決算については以下のとおり報告があり、間島監事から決算内容について「事業が適正に執行され、決算書類も内容が正確に表示されている」との監査報告がなされた。
<収入(単位:円)>
科 目 | 予算額(a) | 決算額(b) | 増減(b-a) | 備 考 |
前年度繰越 | 4,495,993 | 4,495,993 | 0 | アサヒビール㈱寄附金 |
負担金 | 195,000 | 182,837 | △83,836 | 四国遍路世界遺産登録推進4県協議会 |
雑収入 | 0 | 667 | 667 | 普通預金利息 |
寄附金 | 0 | 73,270 | 73,270 | ㈱ラ・ファミーユ |
0 | 252,050 | 252,050 | アサヒ飲料㈱ | |
0 | 943,752 | 943,752 | アサヒビール㈱ | |
0 | 950,000 | 950,000 | ㈱伊藤園 | |
合 計 | 4,690,993 | 6,898,569 | 2,207,576 |
<支出(単位:円)>
科 目 | 予算額(a) | 決算額(b) | 増減(b-a) | 備 考 |
報償費 | 0 | 0 | 0 | |
旅費 | 0 | 22,350 | 22,350 | スペイン交流事業 |
需用費 | 35,000 | 1,066,790 | 1,031,790 | 名刺台紙・遍路カード等 |
役務費 | 5,000 | 423,635 | 418,635 | パンフレットラック等 |
使用料 | 155,000 | 653,100 | 498,100 | 総会会場使用料等 |
負担金 | 2,808,000 | 487,348 | △2,320,652 | 「普遍的価値の証明」部会研究会 |
小 計 | 3,003,000 | 2,653,223 | △349,777 | |
次年度繰越金 | 1,687,993 | 4,245,346 | 2,557,353 | |
合 計 | 4,690,993 | 6,898,569 | 2,207,576 |
・25年度事業報告及び収支決算は全会一致で承認された。
(第2号議案)平成26年度事業計画及び収支予算について
・ 26年度事業計画案は以下のとおり提案された。
区 分 | 事業計画 | |
「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会 | 推進協議会総会を開催し、取組み状況、今後の活動方針などについて審議、意見交換等を行う。 世界遺産登録への取組みや「四国遍路文化」の保存・継承に向けた取組みを、国内外に情報発信するとともに、意識の醸成を図る。 |
|
各 部 会 |
「普及啓発」部会 | 世界遺産登録推進に関する取組みや四国遍路の魅力を盛り込んだパンフレットを作成し、活動の発信に努めるとともに、引続きインターネット等様々な方法で、世界遺産登録に向けた機運の醸成を図る。 |
「受入態勢の整備」部会 | 部会において、「安全・安心に遍路を巡る環境整備」、「地域住民との協働等による持続可能な活動」などの基本方針を策定し、これらに基づき各構成員等が様々な事業に取り組む。 | |
「普遍的価値の証明」部会 | 昨年度設立した専門家による「顕著な普遍的価値の証明」検討会を引き続き開催し、検討課題の抽出と戦略の検討を行うとともに、四国国立大学協議会の協力を得て、国内外の類似資産のデータベース化や四国遍路の価値付けを行う研究会を開催する。 | |
「資産の保護措置」部会 | 史跡・名勝や文化的景観等の外部の専門家による「資産の保護措置」検討会を引き続き開催し、札所寺院及び遍路道の構成資産について、4県の統一的な保護手法の確立や情報共有を図る。あわせて、文化的景観の候補地選定についての詳細調査を行う。 |
・予算は以下のとおり提案された。
<収入(単位:円)>
節 | 見積額 | 積算内容 |
負 担 金 | 390,000 | 四国遍路世界遺産登録推進4県協議会より |
前年度繰入金 | 4,245,346 | 寄付金 |
合 計 | 4,635,346 | - |
<支出(単位:円)>
節 | 見積額 | 積算内容 | |
需 用 費 | 55,000 | 推進協議会印刷費等 | 40,000 |
普及啓発事業印刷費、消耗品等 | 15,000 | ||
計 55,000 | |||
役 務 費 | 30,000 | 推進協議会郵送料等 | 30,000 |
計 30,000 | |||
使 用 料 | 305,000 | 推進協議会会場使用料等 | 300,000 |
推進協議会HP維持費用 | 5,000 | ||
計 305,000 | |||
負 担 金 | 1,505,000 | 寄附金活用事業 | 1,505,000 |
小 計 | 1,895,000 | - | |
27年度繰越金 | 2,740,346 | - | |
合 計 | 4,635,346 | - |
・26年度事業計画及び予算は、全会一致で原案のとおり承認された。
(第3号議案)新規加入団体について
・新規加入団体として、以下の団体が提案され、全会一致で承認された。
○日本青年会議所四国地区協議会
設 立 | 平成16年9月18日 |
目 的 | 日本青年会議所の目的達成のため、四国地区内ブロック協議会の意見を総合調整し、青年会議所運動の進展に寄与することを目的とする。 |
会 員 | 団体 |
活動実績 | 特になし |
活動計画 | 7月5日(土)地区大会(於:徳島県阿波池田市)において「お遍路フォーラム」を開催する予定。フォーラムでは、四国遍路の魅力や世界遺産登録に向けた取組みを紹介する基調講演やパネルディスカッションにより、四国遍路の魅力や世界遺産登録に向けた機運の醸成を図る。 |
○香川県商工会議所女性会連合会
設 立 | 昭和61年10月7日 |
目 的 | 女性の立場から、県下の経済界の振興を図り、あわせて商工業の改善発達ならびに商工会議所の組織強化に寄与することを目的とする。 |
会 員 | 396人・団体(平成25年6月30日現在) |
活動実績 | 札所寺院や遍路道でのお接待 遍路道に案内用の石柱を設置 遍路道や休憩所の清掃 |
活動計画 | 今後とも、札所寺院や遍路道でのお接待を行い、遍路道や休憩所の清掃を継続して実施予定。 |
○四国商工会議所連合会
設 立 | 昭和22年2月7日 |
目 的 | 四国四県の商工会議所が協力し、地域内における商工業の総合的な改善発達を図り、あわせて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする。 |
会 員 | 27商工会議所(平成26年4月1日現在) |
活動実績 | 「四国遍路」の世界遺産登録に向けた取組みに対し、協力と支援を賜りたい旨、国への要望を継続的に行っている。 また、傘下の商工会議所において以下のような事業を実施している。 ・遍路道に案内用の石柱を設置 ・遍路道や休憩所の清掃 |
活動計画 | 今後とも、継続的に国への要望活動を行うほか、傘下の商工会議所での札所寺院や遍路道でのお接待等、遍路道や休憩所の清掃等の事業をインターネット等を通じて情報発信を行う。 |