四国八十八箇所霊場と遍路道とは

四国八十八箇所霊場は、讃岐(香川県)に生まれた空海(弘法大師:774年〜835年)が修行を行った地として伝えられる寺々のことで、弘法大師信仰に基づき、大師の足跡を訪ねて八十八箇所を巡礼することを四国遍路と言う。四国遍路の起源は平安時代の修行僧と言われ、室町時代から江戸時代初めにかけて一般庶民にも広がり、現在に至るまで絶えることなく続いている。

徳島県の1番札所霊山寺から、高知県、愛媛県を回り、香川県の88番札所大窪寺まで、四国遍路の行程は四国一周約1,400kmに及ぶ。八十八箇所の中には、厳しい修行が行われたことをしのばせる急峻な山岳の寺もあれば、町中や田園風景の中に建つ寺もある。また、札所間の距離が近い所がある一方、次の札所まで数十kmもあるといった所も少なくない。

八十八箇所の霊場を歩いて巡る道を遍路道と言う。遍路道は、本来、巡礼専用に設定されたものではなく、地域の人々の生活道や農道・林道などが利用されてきた。そのため時代と共にルートの変遷もあるが、その時々の地域社会の中で遍路道は維持管理され守られており、札所を巡るお遍路を迷うことなく導いてきた道標や丁石が現在も各地に残っている。また、地域の人々がお茶や果物でお遍路をもてなし応援する「お接待」と呼ばれる風習が今も受け継がれている。

四国遍路は、長い歴史を超えて地域と共存し継承されてきた、四国が世界に誇る生きた文化遺産である。
平成27年には文化庁により日本遺産として認定されている。

四国八十八箇所霊場
四国八十八箇所霊場